若狭桐油
若狭桐油
若狭の里山から生まれる、天然塗料乾性油
若狭桐油は、アブラギリという木の実を搾って作られる油です。
若狭地方では承応2(1653)年当時の小浜藩の政策によりアブラギリの作付けが行なわれ全国でも一大産地となりました。当時の利用は主に灯火の燃料で、そのほか紙に油をしみこませ和傘や提灯、合羽などの撥水材として使われました。
最盛期の昭和10年前後には、全国の生産量の60%が福井県で生産されていました。しかし、戦後は石油製品や安価な輸入品に需要を奪われ衰退し、昭和41年に若狭町で集荷した実が日本最後の桐実取引となったようです。
しかし桐油が使われなくなったわけではなく、今日でも海外から工業用に輸入されています。天然塗料として小売販売もされていますが、国産品は若狭桐油だけです(2024年現在)。

白い花をつけたアブラギリが群生する山

かつて油は灯火に、大きな葉は皿や葉寿司に使われた
令和に復活する、若狭桐油
需要が無くなったコロビ畑は梅や水仙、ミカンなどに切り替えられ姿を消していきましたが、放置されたアブラギリはその後も成長・繁殖を続け放置された状態で残っています。その繁殖力の強さと、鹿などに食害されない性質から群生化する地域も現れました。そこでは里山の厄介者として扱われるようになっています。
その群生化したアブラギリに注目をした人たちがいます。若狭東高校と中間支援団体のWACおばまです。両者は平成23年からアブラギリの活用を目指した共同研究を始めました。
そして2023年には若狭桐油を復活させるため若狭コロビプロジェクトが立ち上がりました。「コロビ」とはアブラギリや実の若狭での呼び名です。山に入り実を拾い、その収益で研究を進め、里山の活用を図る。厄介者を活用して、山林と人の関わりをもう一度つなげることがプロジェクトの目標です。

里山に入り、人の手で拾う

高校での搾油実験。実の乾燥法や、油の性質、他の油との比較などを行う

若狭桐油 Wakasa Tung-Oil
2024年時点で唯一の国産桐油(福井県産)
実を搾り、濾過したそのままの生油です。
100ml 税込み1650円(税抜き1,500円)
生産量が少量のため、購入をご希望の方は以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
produced by 若狭コロビプロジェクト